2008-03-19

あなたにはわからない

Aは二つのサークルを掛け持ちしている。

一つは、Aがリーダー存在、自分が補佐的な役割をしている。

人数も少なく、メンバーはよく言えばまったり、悪く言えばあまりやる気が無い。

うちのサークルの残り少ない創設メンバーで、飛びぬけて実力のあるAが良くも悪くも

このサークルの命運を握っていて、多少のワンマンぶりも許されている。

もう一つの方はうちよりは多少大きく、Aは一メンバーとして加わってる程度、

だと思っていた。

そっちのほうでイベント主催することを人づてに知った。

おいおい、よそ以前にウチの現状どうにかしようよ、と、

正直ムカつきながらも、よそがどんなイベントをするのか興味もあって会場に行ってみた。

Aはそのサークルの中で、うちにいるときより一生懸命で、

こっちじゃやらない雑務も進んでこなし、充実感もあり、楽しそうだった。

何より、あっちのメンバーはうちのメンバーにはない活気があった。

そんな姿に打ちのめされた。

そんな気も知らず、Aは

「活気あるだろ?俺も久々に張り切ったよ」と無邪気に笑った。

正直、ムカついた。

そっちではそんなにやる気を見せるのに、

こっちのサークルワンマンでいられるのをいいことに適当にやってたんだな。

まぁ、ずっとそれは感じていたけどな。

一方で、Aの才能に憧れてサークルに入り、

いくら努力しても絶対に追いつけないという劣等感をもつ自分は、

本音をぶちまけて「じゃあこんなサークル辞めてやるわ」と離れられるのが怖いんだ。

「いいイベントだね。すごく参考になったよ」

本心を隠しながら、でも実際彼の実力に感嘆した本音も込みで言った。

「ああ、俺らのところじゃこうは行かないもんな。

でも俺らのサークルが俺にとっては一番だから。これからもがんばろうな」

あいまいな返事をした自分の本心を、Aは知らない。

Aにわからせることもできない。

あなたにはわからない。

どれだけあなたの才能に憧れ、劣等感を持ち、尊敬し、憎んでいるかを。

どれだけ、あなたに認められることを渇望しているかを。

こんな気持ちを抱えながらも、

まただらだらとAの雑用をよろこんで引き受けてしまうのだろう。

  • そんなことより就活しようぜ!

    • 実はすでに社会人www 何やってるかぼかすためにサークルと書いたが社会人になっても こんな風にある意味キモイぐらい趣味にうつつを抜かす奴もいるって事で。

  • Aにひとつも非が見当たらない。 周りのメンバーがやる気がないならAがそれなりに力を抑えるのは当然じゃないか? 前者のグループでAだけ張り切って飛ばしても 他のメンバーが付いてこ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん