どうにも動けない。しかし動かないと、眠ることも出来ない。また明日は寝不足だ。寝不足だって言ってるのに。と、『落堕』を思い出す。
気持ちが晴れない原因なんてないはずだ。恋人はずっと大人になっていて、僕がメールをできないことを察してメールを止めてくれていた。寂しいとか何も言わずに、受け入れてくれている。ありがとう。申し訳なくてさっき電話をしたけれど、ほとんど何も話せなかった。
加湿器のタンクの水がなくなったので、台所に足しに行った。それだけで、息が切れそうになり動悸が止まらない。もちろん、小さい加湿器で、片手どころか2本の指で持てる程度のタンクだ。
どうにかして、この不安から抜け出したい。目の前の課題と目標に足がすくんでいるんだな。でもその課題と目標を設定したのは自分自身。自分に出来るだろうか、努力できるだろうか、無理だ、出来ない、無理無理、とか。そんなことしか考えられないなら、一番楽な現状維持をまず考えた方がいい。
昔だったら恐がる自分に「やらないなら死ね」のようなことで無理矢理煽っていたけれど、そして今もそうしようとついしてしまうけれど、疲れた時は一度現状維持まで目標を下げないと、潰れてしまう。しかも実際に潰れたことがあったよな。とはいえ、甘やかすのも癖になるし、その辺りのバランスは難しいけどな。
やれること以上のことをやりたい一方で、やれることしか出来ないというのもある。最初からやれること以上を考えても仕方ない。弱くてプレッシャーに耐えられない人間だという自覚がないんだな、僕には。だから多くを要求しすぎてしまい、精神的にやられてしまう。世の中の誰も、そこまで僕に望んでいないのに。
みんなはもっと強いんだろうか。あるいは弱さとうまく折り合いをつけているんだろうか。それとも僕とあまり変わらなくて、どうにもならないことを知っているだけなんだろうか。
もうすぐ夜が明ける。会社に行くのは嫌ではない。ただシンプルに、体が動かない。それでも、きっと休んだら二度と体が動かなくなるから、「きっと楽しいことがあるよ」と騙して拉致るようにして出社しよう。とりあえず今は現状維持だけを考える。