■たった一つのあやまち
彼とは何もかもがうまく行っていた。
一緒に手をつないで散歩もした。
私が編んだプロミスリングも喜んで身に着けてくれた。
私が「寒い」と言えば私の手をとり、温かい息をかけながらさすってくれた。
私が彼を抱きしめると、彼はあたたかく私を迎えいれてくれた。
夕陽の中、私を真剣な目で見つめていた彼の姿は今でも鮮明に残っている。
ただ、、、たった一つの私のあやまち。
たった一つなのに、とても重く、取り返しのつかない。
彼がそれを知ったとき、何も言わずに私のもとを去って行った。
私がどんなに泣いて謝っても、許してもらえるものではなかった。
私は彼を裏切ったのだから。
私は彼の大切なものを、、、
私は彼がおやつにとっておいたバナナを食べてしまったのだ。
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