http://d.hatena.ne.jp/REV/20071005/p2
ある実業家が、それを見て金になると思いついた。金儲けのために、彼は料理人を雇うことにした。
補助金を申請して、公有地にレストランを作った。料理人は大変喜んで、安い給料でよく働いた。食材のコストもギリギリまで落とした。
その話を聞いて、恵まれない人があつまってきた。料理人は、大鍋で料理をつくり、毎日配った。ボランティアも募集して、人件費を安くすませた。そうすれば、儲けが多くなるから。TV局も利用して、寄付を募った。
そして、月日がたった。
実業家のつくったレストランは、各地に広がった。ぎりぎりまで食材や人件費を抑えたので利益は莫大になった。法律の規制も、レストランや従業員ではなく食料の配給所とボランティアという名目でうまくかいくぐった。レストランだけでなく、安い食料の為に特に貧しい人達から選んで畑や漁船などで働かせた。貧しい人なら、安い給料でも喜んではたらくからだ。働き手はいくらでもいた。せっかく仕事を覚えても、病気などで死んだりしたら損失なので病院も作って健康管理を行った。学校もつくって将来の働き手の育成も怠らなかった。
実業家の金庫には使いきれないくらいの金があふれた。それをもっともっと増やす為に次々にレストランなどに投資した。レストランが無い地域はまだまだ沢山あったし、金儲けの種の貧しい人も沢山いた。まだまだ儲けられる。そんな実業家を人々は口々に賞賛する。貧しい人に食事を与えて、仕事も世話をして、病院もつくり、子供たちに教育をもうけさせた、良心の人だと。金儲けの為にはそれが一番確実な方法だっただけなのですが。
なんでこんなことになったのだろうか。うつむく実業家を、マルクスさまがじっとみていた。