2007-09-27

きゅっきゅっとウグイス張りの廊下が鳴る。

全員の視線がこの部屋ただ一つの扉に集中する。

「……鍵」

ルキオが呟いた。ハッと気づき、一番近いバリオが扉に鍵をかける。

ひとまずは安心だ。だが、その気になれば扉を破るのは造作もない。

全員が空手の構えを取り、敵の襲撃に備える。

廊下を歩く音が、扉の前で止まった。そして、戻っていった。

ピシャリと玄関が閉まる音。危機は去った。

全員が安堵し、構えを崩す。すると、インターホンが鳴った。

「誰かな?」

ルキオが玄関に走る。

宅配便でーす」

ハンコを取り出し、玄関を開ける。

しかし、そこにいたのは宅配業者ではなく、ハンマーを持った大男だった。

「しまった、罠か!」

言い終わると同時に、ハンマーは頭目掛けて振り落とされた。

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