働き蟻を見ていた子供の頃
こやつらは一体どこにむかって懸命に進んでいるのかと悩んだ
もちろん巣の中へ餌を運び込んでいるのだと、昆虫図鑑なんかで読んだ知識で理解していたけれど
そうじゃなくて、何のためにこれだけ懸命に生きているのかと不思議でたまらなかった
起きて餌をせっせと運んで寝て起きて餌をせっせと運んで寝て起きて・・・
最後の瞬間まで彼らはこうして生きているのかと思ったら、もやもやした気持ちが更に肥大していったからその時は思考をイッキにストップさせた
今朝、鳴り響くアラームを消した瞬間にそんなことを思い出した
最後にまじまじと蟻の行列を見つめたのなんて、いつだったろう
背が伸びて、地面から目線が遠くなるにつれ、深く考えることをしなくなっていた気がする
それなのに、意図せず自分はどんどん蟻の行列の一員になっていくような
・・・そんな事をふと思って苦笑いした
いつか来る最後の瞬間
その時は働き蟻の気持ちが理解できるのだろうか
もうね、週間ストーリーランドの原稿かと。