2007-08-18

Re: http://anond.hatelabo.jp/20070817224414

この「の」の用法は格助詞「の」がもつ用法のひとつで準体格と呼ばれる。格助詞「の」に続く(ノ格の名詞句が修飾するはずの)実質的な名詞を省略するもので、奈良時代から例が見られる。

  • 「薬師は 常もあれど」(仏足石歌)

問題は、任意の場面が設定された上で「俺のがある」「彼女のがある」と言うことに我々は違和感を感じないのに、なぜ「俺のがすごい」という例になると不自然に思えるか、であろう。これは、準体格に下接する名詞の省略用法として、実質的な名詞(「車」や「靴」)を省略する用法は定着しているが、抽象的な名詞(「方」といった形式名詞)を省略する用法はまだ定着していないのではないか、ということが考えられる。

実例としてあげられていた、

などの例はいずれも文の中に選択肢が含まれており、述語が話し手の評価や価値判断を示す表現になっている。このような枠組みの支えがあれば、格助詞「の」に続く名詞を省略する用法でありふれていない名詞であっても省略し、また復元しうる環境が整うのではないだろうか。

(φには形式名詞「方」が入る)

これを実証するには、「文の中に選択肢が含まれており、述語が話し手の評価や価値判断を示すもの」以外で同様の例(形式名詞などの抽象的な意味をあらわす名詞が省略されている例)を探す必要がある。

記事への反応 -
  •  NANAで初めて見て、あの作品がブームの元なのかもしれないと思っているのでそういう見方で書くけども、NANAブームの頃から「○○の方が○○」という言い回しを「○○のが○○」と省...

    • 例えば車の話題で盛り上がっている中、「俺のが凄い」といったとき、厳密にはそれは「俺の(車の方が)凄い」なわけで、しかしこの「車の」は、何度も出ている話題で、わざわざ言わ...

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    • 「のが」は「の方が」の省略形なのか?

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    • 拝啓 残暑の候、各位ますますご清福のことと拝察いたしお喜び申し上げます。 毎度格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 さて、今日びは「候」等とは申しませぬが、これはいかが...

    • 似た感じで ~~かもです。 と言う表現が非常に気になる。

      • 問題は、「かもしれない」の「しれない」がどの段階で省略されたかだろう。 省略でまた考えるなら、たとえば ~かもしれないです。 ~かも(しれない)です。 ~かも(...

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