夢の中に、もうちょっと大人になったら考えてやるよ、と一年前に私を振ったあの人が出てきた。
何故か私はあの人の車で送られている。そこで私は明るい調子で彼に聞いていた。
「あんたさ、私が告白したことなんて忘れちゃったことにしてるんじゃないのー?
未だ好きって言ったらどーすんのさー?」
運転中の彼は信号で止まった後、こちらを何ともいえない顔をして見つめた。
「や、別に忘れたわけじゃねえよ。なかったことにもしてねぇし」
その後の記憶はない。変な展開のホラーゲームちっくな夢の内容に変わってしまっていた。
夢の中でも、やっぱり、ちゃんと振って貰えなかった。
私のことを傷つけないように、これからの関係が悪化しないように、当たり障りのない言葉で。
お前のことは好みじゃないから、お前とは付き合えない。
けれど本当に現実の彼がそういう風にいって私を振ったなら、大泣きの日々だろうなあ。
…どっちがよかったんだろう。未だに引きずっている私と、終わったことにしている彼。
でも彼が望むのは終わったように振舞う私なんだろうし、終わったことにしなければ。