定期的に献血に出かけています。そのたびごとに行われる血液検査の結果を、大体一週間後に葉書で通知してもらえることが行く理由の一つとなっています。肝機能と血球数についての検査項目が数多く揃っており、しかも過去の回も合わせて計5回分が併記されているので、どのような変化を経ているのかを縦切りにして見ることができます。
数値がやや良くない方向に向かっている項目があります。献血できないほどではないけれども、コレステロール値が少し標準値から外れていて要注意であることが表の♯印から分かります。肝機能についても値が大きくなっている項目があります。おなかの周りが、ややきつくなっていていけないなと思ってはいました。ただ、それ以外の体の不調として何かが感じられるわけではありません。
しかしそのような外見から分かることの他に、確かに体に負担がかかっているであろうことが如実に示されているのです。そして、何とかしなければならないのではないかと僕は思います。この一連の事柄は、最近論考されている「身体の外在化」ということに関連があるのだと考えます。
少し分節化してみます。
(1)おなかの周りについての認識
(2)具体的な不調は自覚していないこと
(3)数値の示す否定的な価値
(4)日頃の生活を改めようとする動機付け
(1)→(4)の流れは、(2)によって弱められているのかもしれません。しかし(3)が存在することによって、(1)→(4)の流れは強化されます。すなわち、(2)と(3)は対抗的です。
高価な検査機器から出力される精緻な数値を、僕は自らの感覚よりも信じます。あるいは、おなかの周りについての認識は数値によって裏付けられ、さらに新たな否定的意味を付与されます。数値は内在的な身体とは乖離した、外在化された自らの身体の一要素ということができます。
これを身体の疎外とみるか、拡張とみるか、捉え方は多様であり得ると思います。ただ言えるのは、身体の外在化は現代では不可避のものであり、ますます強化されていくであろうことです。しばらくしたらまた、僕は献血に行こうと思います。
いいなぁ。私も同じような動機で足繁く通っていたのだけど、献血30回目にして以後の献血お断りになってしまった。いまは赤十字潰れてしまえと毎朝毎晩呪詛を欠かさぬ日々ですよ。
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