人は誰でも一つの人生を背負ってやってゆく。
ここに一人、あほな男がおる。どうしようもない状態の男じゃ。
わしはどのような人生を歩むのじゃろうか。生きるのじゃろうか。
何を感じ何を見つめ、いつ死に、どれほど笑うじゃろうか。
何を心に秘め、行くだろうか。
主導権を握るじゃろうか、それとも翻弄されるじゃろうか。流されるじゃろうか。
意外性の無い現実に今度はどっぷり浸かって生きながらえるじゃろうか。
どんな夢を見て、何に心を躍らせ、目を輝かせることになるじゃろうか。
何を欲し、何を渇望し、憧れ、呻き、苦しむじゃろうか。
いつまで立っていられるじゃろうか。いつまで元気でいられるじゃろうか。
いつまで笑っていられるじゃろうか。
いつまで絶望しないでいられるじゃろうか。
愛されるじゃろうか。動けるじゃろうか。
この男どれほどをやるのじゃろうか。この制約の中で何をするじゃろうか。
そしてこの男にとって生は何になるじゃろうか。生きよ。