2007-03-08

冬の空気の厳しさに

肩をすくめて立ちゐたり

春の空気のやはらかなることを請ひねがふ

恋ひねがふ

さてもいざ季節はうつろひ

しをれ落葉のあらはれば

かの張り詰めたる寒気をこそ

なつかしみ請はぬとは思へず

樹々の枝は白く

埃にまみれた街をあらたにする

いきづいた新緑は

火山灰に覆はれた街をしづかに染めるだろう

冬には春を 春には冬を

なつかしみて請ふ

なつかしみて恋ふ

 

そういふものさと誰かが言ふ

そういふものさと誰もが言ふ

ないものねだり ないものねだり!

けれどもそれとばかりは思へず されどそれが何かは知らず

だからこそ 生きてゐる だからこそ 生きてゐる

壊れた機械のやうに 俯きつつ 呟くばかり

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