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医者からは重大な決断はしないように言われていたけど、引っ越しを決めてしまった。一部屋広くなれば、気分もよくなるかもしれないと思って。
決めたその日から、体中が倦怠感に包まれている。頭が靄がかかったようになり考え事ができない。背中の凝りが取れず、めまいや浮遊感がたびたび起こる。
期末のこの時期、仕事はたんまりとある。家に帰ったら寝るだけだ。引っ越しのことを考える時間などない。ないけど考えなくてはいけない。
なんでこんな時期に決めてしまったんだろうと落ち込んでくる。まだ新しいその部屋を見たときは、あんなに浮き立つ気持ちに鳴ったのに、いざ現実になると重苦しいだけだ。
健常者でさえ疲れ果てる引っ越しを、こんな状態の自分がやることになってしまった。
後悔しても始まらない。引っ越しはしなくてはいけないし、誰にも迷惑をかけてはいけない。仕事もきっちりやって、かつ、引っ越しもこなさなければ。
ばかみたいだ。こんな状況に自分を追い込んで、なんてばかなことをしたんだろう。まずは医者の言う通り、病気を治すのが一番だったんだ。あれは、正常な判断ができないからばかりでなく、引っ越しそれ自体をこなすことができないという警告だったんだ。
ここに、他の抑うつの人のために書き記す。環境が変われば助かるかもしれないと思って、転職や結婚や転居をしてはいけない。
気分が晴れる前に、疲弊してしまう。
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