■やっぱり甘いんだよね。
僕の首筋を舌で舐めながら、彼女がそう呟いた。
そういえば彼女と付き合ってた頃、よく言ってたなと僕は思い出す。
首筋が甘い男。頭の中で発音し苦笑する。
彼女の首筋を下の方からそっと舐め上げる。
相変わらず五月蠅いあえぎ声だな、口には出さずそう思う。
もう終わった関係。その状態は維持され続け何処にも行かないだろう。圧倒的な重力がそこにはある。
それを忘れるように、意識しないよう、無言で体を重ね合う。
何処を触れば反応するか、体が覚えている。それは相手も同じ。少し動いただけで、相手が何を求めてるのか分かる。
まったく変わらないものだなと思い複雑な気分になる。
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