2006-10-17

[] 無間地獄

仮説

  • ウェブ上の掲示板やブログのコメント欄等における議論は、自分の意見を表明することが主たる目的で、その際書き手が判断基準として用いるのはトピックと自投稿の直近2、3レス。

自分の投稿が周囲に評価され、以降のレスで引用され議論が収束することを誰もが一度は望むが、「自分の意見を表明することが主たる目的」であるため議論の発展的解消は達成されず、別の投稿者による類似したレスが延々と続くのみである。

意見の表明のあり方には少なくとも次のようなパターンがあるように思う。

  1. 議題に対する素朴な感想。
  2. 一群の同意の流れ(微妙な見解の相違を含む)。
  3. 2にまっこうから反対する意見。
  4. それまでの流れをまとめて議論を終わらせようとする意見。

問題なのは、議論の場への参加資格が対等なため、4は多数の意見がある中での一意見という扱いしかされない点である。

議論の終了宣言を行うことが許されるのは「他の投稿者より身分が高い」と暗黙のうちに了解される人物であり、それはトピック主、ブログの管理者、掲示板の管理者などであろう。これは、理屈をこねる能力の優劣ではなく、制度上の上下関係であり、物理的な強制力(トピックやコメント欄を非表示にする、凍結する、削除する、など)を持つ。

ウェブ上の議論を采配する骨法は、「参加者が飽きるまでほったらかしにする」という点につきると思う。

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