海外に留学すると外国大好きになる人と日本一番になる人がいる。俺はどちらにもならなかった。俺がキッチンに向かうと同じ階のジェシカとその婚約者がいちゃついているのだが、俺がドアを開けると恥ずかしがってやめてしまう。ジェシカは俺にとても親切だった。分からないことがあれば何でも教えてくれた。他のルームメイトもとても親切だった。日本でも海外でも非モテ、非コミュだった。しかし、外国は非モテ、非コミュにとって居心地は良かった。俺は海外でもこもりがちだったがそれでもみんな暖かかった。隣の哲学専攻の男もこもりがちで、休暇中は他のルームメイトが旅行に行ったり、実家に帰ったりしている間、2人して籠っていた。俺が日本に帰ってくるとき、気がかりだったのはジェシカと婚約者があまりうまくいっていない、あるいは別れたかもしれないことだった。俺が初めてジェシカに会ったとき紹介したとき、嬉しそうに婚約者(フィアンセ)だと紹介してくれたのだが、そのフィアンセの姿が途中から見かけなくなり、ジェシカが泣いてルームメイトの女の子(名前忘れた)に相談していた。そして、最後はジェシカとその女の子と哲学男と食事をして別れたのだが、あれからフィアンセとの間に何が起きたのか聞き出せなかった。ジェシカには幸せになってほしい。心からそう思う。
あ、俺も。 皆悪くてみんないい、っていう金子みすず的になった。
海外には人の性格に対する押し付けがましい考え方がないのか。 良いな。