2008-10-15

数字を当ててよクイズ

たとえば、ちょっとよさそうな品物を見せられて「これ、いくらで買ったと思う?」と聞かれた場合、

A 自分「二百円くらい?」

  相手「うーん……そこまで安くはないよー。正解は三百円」

  自分「そうか……いや……でも……三百円でもすごい安いよね、うん……」

B 自分「千円くらい?」

  相手「ブー。はずれ。実はなんと、三百円です!」

  自分「えー! マジで!? すげー、めちゃくちゃ安いじゃん!」

  相手「でしょー!?」

Bのほうが会話が盛り上がるので、そうなるような数字を答えておきたい。このような「数字を当ててよクイズ」を出されたら、相手がアピールしたいのは数字が大きいことなのか小さいことなのかをまず推し量り、その上でわずかでもいいから正解より「すごくない」数字を告げる必要がある。

出題範囲は物の値段以外にもあらゆる数字に及ぶ。点数(「俺のテストの点数当ててみな?」)や日数(「これ作るのに何日かかったかわかる?」)や人数(「昨日、お客さん何人来たと思う?」)など。

してこのクイズにおける最凶の設問が「何歳に見えるか」を問うもの。若く見られたいのか、大人っぽく見られたいのか、年相応に見られたいのか。これを見極め、さらに相手の年齢を正確に把握して、相手の希望にかなうような歳を答える。もはや達人の芸当としか思えない。

昔から、この手のクイズを出題されるとうまく答えられなくてかなり居心地が悪かった。こういうのってクイズそのものにたいした意味はなくて、ただ会話を繋ぐということ自体が目的なのだろうとも思うのだけど、そうすると今度は自分の台詞が白々しくてなんか嫌になってくる。そのため、自分から他人にこういうクイズを出題したことは一度もない。

最近では、探りを入れてみる(「うわあ、高級そう。安物だったら三、四個……いや五、六個は買えるんじゃない?」)とか、あえて極端な数字を言ってお茶を濁す(「まさか……名前書き忘れて0点だったとか?」)などの方法でしのごうとしていますが、なかなかしんどいです。

その場ではうまく言葉が出てこなくて、冒頭のAの会話にすら ならないこともしょっちゅうだし。

世間の人たちはこういう時、適切な答えがさっと出てくるものなのだろうか。それとも、まったく気にせず思うままの数字を答えているだけなのだろうか。あるいは、回答者側に回らなくてすむように、常に出題者で居続けるようにしているのだろうか。

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