ある所でとても優れた武具と防具を扱うという商人が現れ、まず盾を見せながらこう言った。
「わが盾の堅きこと、よくとほすものなきなり。
例えお前と同じ色の者が一人、どこかで道を踏み外したとしても、
『一つの事件を持ってオタクのすべてを犯罪者予備軍するなんて詭弁だ!』『なんでもゲームのせいにするな!この”ゲーム脳”脳!』
等と唱えることでこの盾を持つ者の所にまで巻き添えが飛ぶのを防ぐ、素晴らしき盾なり。」
商人は、次に矛を取り出し、皆に見せながらこう言った。
「わが矛の利なること、物においてとほさざることなきなり。
例えばお前が快く思わぬ色の者を一人、突き通すことが出来たなら
『売国企業に勤めていたんだから同情できないね。死に神に連れて行かれたんじゃない?w』
『お前らみたいなのが居なくなっても誰も困らないんだから、新聞社ごと潰れるまで追い込んでやんよ』
『また一つ女性の醜さが証明されました。これだから女は怖い!女は信用できない!』
等と唱えることで同じ色の者を次々と貫き続けることが出来る、素晴らしき矛なり。」
それを見ていた野次馬の一人が、遠く客席からモバイルを取り出し、商人の映るモニターにこうキャプションを流した。
「じゃあその矛の理論と盾の理論で同じテーマを語ればどうなるんだよwww」
商人は、落ち着いてこう打ち返した。
「売国奴乙www」