2008-02-22

ある人を好きになった。

ある人を好きになった。ものすごく好きになった。

でもさまざまな事情で、この恋はどうにもならなかったので、

この恋はなんとかあきらめるようにした。

三ヶ月くらいは、どうしても彼を忘れられずに身悶えしたけど、

時が経って、それほどの苦しさは少しづつ無くなってきた。

せっかく好きになった人を、理由があるとはいえ

あきらめなければならなかったのは、とても悲しかった。

でもそれは仕方の無いこと。

それに、自分はもともと意志が弱いほうなので、「あきらめる」という消極的方法ではあるけれども、

あの途方も無い苦しさを乗り越えられたのは、なんとなく自分自身に打ち勝った気がしたようでうれしかった。



そして時が経ち、今。

今でもまだ、あの人の事を考えることがある。

普通仕事してる合間とか、メシ食ってる時とか、

ベッドに入って寝る前とか、日常のふとしたときに、

急にちらりとあの人の顔を思い出してしまう。

今では「あ、自分はまだ彼のことを想っているんだな」と

わりと冷静な感情でいられるのだが、振り返ってみると、本当に毎日毎日、

どうも必ず一回は、彼のことを考えてしまうということがわかった。

今となっては、もう彼のことを思い出しても、それほどつらくはない。

今後もこのもやもやした気持ちと当分付き合わないといけないのは少し面倒だけれども、

逆に、これが、今まさに忘れようとしている彼との最後のつながりでもあると思うと、

このようなもやもやした気持ちも、あまり悪いものでは無い。

自分でもかなり意外だが、やっと今になって、落ち着いた気持ちで彼のことを考え、

恋焦がれるのではなく、いとおしいと思えるようになってきた。

多分今は、ニュートラルに、本当の意味で、彼のことが好きなんだろう。

そしてあと数ヶ月もすれば、自分は彼のことを思い出すことも無くなる。

一目惚れしたあの出会い、朝まで共にしたあの一夜、二人で交わした熱い言葉

どれも出来事としては一生覚えているだろうが、

その時に、自分の心に湧き上がったあの感情は、全て忘れてしまうだろう。

完全に、彼を忘れてしまうのだ。

でも、彼のことを本当に好きになれて、その気持ちのまま

彼と彼に関する全ての感情を忘れつつある今、

自分はとてもおだやかで、幸せな気持ちに満たされている。

彼を好きになってよかった。

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