2008-02-15

二十三歳の○○は"鬼"に見込まれている。

"鬼"とは小説の中にあった表現だ。

忘れられていく記憶たちが、忘れまいと…。

輾転のたうち逆襲してくるのだ…と○○には思える。

だからそれは空想・妄想の類にすぎないのに…。

それでも、夕べ会ったばかりの人が…のっしのっしと部屋の中を歩き回ると死ぬほど怖い。

ずぼずぼっと胸を踏まれると叫びそうになる。

そんなのが何匹もでるのだ。

しん底怖いのだ……。

だから○○は考える。

…この恐怖はたよりなのだ……。

そう考える時……○○の心の闇にも、あの夜間飛行の寄る場所のような…。

仄かな明るみが見える。

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