2007-09-08

無断リンク禁止」とは、要するに割れ窓

住み心地のよい街というのは、見えない誰かの努力で維持されているし、その努力不快なものであることも珍しくない。というか、当たり前。

無断リンク禁止に関しては、それが大手サイト、特に商業系でまかり通った、あるいはまかり通りそうになった暗黒時代があった。よその国は知らんが、日本企業の「管理」者はなんでも許可制にし、リスクを全部門前払いにしたがるので、禁止、禁止、禁止、としたがる。ところが、有用なサイトであれば企業であろうがなかろうが、リンクには価値がある。それをいちいち許可制にされたのでは意味がない。

無断リンク禁止を掲げるのは自由だろ」「無断リンク禁止を宣言するのは勝手だろ」というが、インターネットの自由は最初から天与のものとして与えられているわけではない。今だって何でも自由なわけではない。実世界の自由と同じく、インターネットの自由も大抵はえらくご苦労な論争を得て確立されている。

たとえば、リンクの自由が確立するまでにはうんざりするような経過を得ている。ディープリンクに関してはまだ一部大手企業などが執拗な抵抗を見せている。

窓の割れた住宅を買おうとする人はいない。だから窓を割れたままほうっているのは自由とも言える。しかし、割れ窓の多い町では、やがてみんなが、はっきり言えば考え無しの連中が、窓なんか割れていて当たり前と思うようになる。

無断リンク禁止」は割れ窓である。ほうっておくと、いつの間にかその辺に増え、いつの間にか「常識」「当然」などといわれるようになる。だから、しつこく注意され、反発するほど攻撃されるのはむしろ健全なこと。だって、皆はあなたを自由の敵とみなしているのだから。攻撃者の中に少々異常者がいるからといって、割れ窓の罪が減免してもらえるわけじゃない。

自由と勝手を同じだと考えるから摩擦を起こす。自由は規律と形式の中にしか存在しない。その規律と形式の維持・拡張が大事だと思っている人なら、割れ窓など放っておくはずがない。

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  • 無断リンク禁止を主張するのも、無断リンクは自由だと主張するのも自由だが、どちらが適当かはその対象のサイトが属する社会で判断すべきことだと思う。 元増田が言っているのは...

  • 無断リンク問題を私的なものとしてしか考えないから、そのあたりで思考が停まってしまう。 しかし、嫌がる人にそんなことを指摘してまで無断でリンクをしたいようなサイトってある...

    • 自分がしたいかしたくないかって問題だろ。そこで「公のため」ってのを背負うなよ。お前は公務員でも何でもない。 公の原則を元にリンクするのはけっこうだけどな。

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