昔は、ABCDなんて区別がなかった。区別するだけの技量も、それに対処するだけの設備も無かったから。
実際、ほとんどがAだと思われていたし、統計データをとっても少なくともAとBで半分が占められることは確かなようだった。
…では、「そのほか」は?
ある時期までは「非A非B」と呼ばれていた。そう呼ぶより無かったのだ。AとB以外は「AまたはBではないもの」という扱いだったのだ。
ただ、日本人の生活習慣などの事情もあって、昔はそれで事が足りていたのだから、恐ろしい話である。
やがて「C」の存在が顕著になってくると、実は日本でも「D」や「E」が存在していたことが明らかになってくる。
知られるとともに、急激な増加も確認された。環境ホルモンなど、さまざまな影響を指摘する向きもある。
とはいえ、この分野において日本は完全に欧米の後塵を拝するかたちになっていたわけだ。
この点については、欧米と日本の食文化の違いや、人種による体質の違いなどと指摘するのはあまりに安直に過ぎる。
え? ウィルス性肝炎の話ですよ? 嫌だなぁ気のせいですって。