個室と銘打ってあるようにその店は完全個室性で隣の部屋の人の様子などは一切わからない。
そんな中流れてくる素麺を食べる店なのだが、手前の席は滞在時間辺りの料金が高い。奥の方は滞在時間辺りの料金が少ないシステムである。
手前の席の客は箸を流れてくる部分に立て続けダムを形成する事も出来る。中間の席の客は手前のお偉いさんのおこぼれを虎視眈々と狙う事が出来る。奥の席の客は最後に彼等のおこぼれをもらう。
たまに日照りの日もあり、凶作の時もある、また逆に豊作の日もある、そういうシステムになっている。
あまりに奥の方の客に流れてくる分が少ないと、彼等は暴動を起こすことが出来る。革命システムである。
中間層の役人たちは暴動が起きないように素麺の供給を操作するのだが、欲張りすぎると革命を起こされる。
革命を起こした小作人たちは最も手前の席に座る人物との交渉が出来る。
革命を起こした時、素麺の供給量(60%、80%、120%などの値がある)が両者の交渉によって決められる。
当然そのままだと大きな値を設定しておけばよいのだが、そこは個室流し素麺屋、そんなに安い店ではない。
もし仮に大きな値200%の供給量が交渉で決められた場合、小作人たちが小作人であるためにはより多くの金を払わなければならない。払わなければ彼等は退店させられる。
そして退店した人数分だけ供給量が目減りするシステムとなっているのだ。
それなら革命が起きた場合、最も手前の席の人物は自分を賄える最小の供給量だけ設定すればいいと思うだろう。
革命システムが安直過ぎる点(いつでも起こせる単なる都合のいいものになっている)と、最も手前の席の客の絶対的権力の辺りが上手く練られていない。 上座に座る者達の綿密なネッ...