中学のときの話だから5、6年くらい前のこと。
だから今とは事情が違うかもしんないけど。
「いじめ」っつっても「あいつ仲間はずれにしよーぜ」とかそういう程度の「いじめ」な。
最初は気の弱い先輩がターゲットだったんだ。
部室に置き去りにしたり、聞こえよがしに悪口言ったりな。
一ヶ月位して、次にターゲットになったのは俺のクラスメイトだった。
彼には仲のいい友だちがいたんだけど、むしろ率先して彼を仲間はずれにしてたのは、その友だちだったな。
また一ヶ月位して、今度はもう一人の先輩が対象になった。
と言っても、その先輩がいちばん実力があって、しかも厳しい人だったから、半分愚痴みたいなものだったけど。
あ、その頃には、上で書いた「クラスメイト」と「その友だち」は仲良くやってんのね。
そんな感じで、いじめの対象はぐるぐる変わっていく。
仲間はずれにするくらいのいじめなら一ヶ月周期くらい。
でも、周期が終わったら、いじめられっ子もいじめっ子と仲良くしてたりするんだ。
だからさ、いじめがあったからって、すぐさま転校を考える必要はないんじゃないかな。
いじめられっ子に必要なのは、嵐から逃げるための別荘じゃなくて、にわか雨をしのぐための軒先だと思うよ。
転校とか以前に警察に行くべき。