脳梗塞って、いきなりばったーんって倒れるものかと思いきや、少しずつ体調が悪くなっていくケースもあるのね。
もちろん、当初は脳梗塞だってわからないから、病院につれていった。
病院の待合室は、あふれんばかりの老人。座るところもない。老人しかいないから席を替わってもらうこともできない。
ばあちゃんの体調がみるみる悪くなっていくんだけど、
病院側はみんなおなじだから、といつまでたっても待たされる。
3時間くらい待った後、ようやく診察。
脳梗塞の疑いがあるから、大病院で検査するように、と紹介状を書いてくれた。
と思ったら、自分が半分抱っこしているようなばあさんを連れた客をのせたくないのか乗車拒否をかなりされる。
近所の大学病院へ行ったら行ったで、同じように待合室に大量の老人。老人。老人。
ここでも2時間くらい待たされる。
ようやく診察、検査に入るのかと思ったら、今度は検査もいっぱいで埋まっているから、近所の検査専門の医療機関を紹介するからそこでやってくれ、と。
待つこと1時間。診察室に呼ばれて、所見を聞く。やっぱり脳梗塞。
しかもおきてからだいぶたつから今から治療をしても、もはや詰まったものはとかせない、とのこと。
ふざけるな、と心底思った。
結果を渡すから大学病院へ戻って診察を受けるようにといわれ、また大学病院へ戻った。
夕方。それでも老人が何人かいる。
老人の診察は何故か長い。1人当たり20分も話してやがる。
受診側も要領よく話していないのか、ふだんさびしいからここぞとばかりに会話を楽しんだり愚痴をこぼしているのか。
1時間待って、夜。
もはやばあちゃんは歩けなくなっていた。
急遽調達した車椅子に乗せている。
しばらく治療が必要とのことだが、まずはいったん帰るように言われた。
治療が必要なのに、帰れ、と?
理由はベッドがないから。
仕方ないのでつれて帰る。
でも、介護なんかしたことないし、十分な準備もしていなかったからとにかく大変。
トイレひとつでも、大人4人で抱きかかえてもなかなか持ち上がらない。
同じ歳のじいちゃんがぜえぜえいいながら面倒見ている。
母も叔母も叔父もじいちゃんも、みんな疲れきっている。