上念司の降板について感じたことの雑記。DHCテレビはもう見ないだろうなと思う。
私は、数年前から、右派の主張を把握する目的で、それなりの頻度でDHCテレビ(虎ノ門ニュースやニュース女子)を見てきた。
私は、政治ニュースに触れるときは、左右両方の主張を十分に聞くことを重視している。ツイッターには左派リストと右派リストがあり、両方に目を通している。産経新聞も東京新聞も同じだけ読む。ある話題について、先入観や第一印象ではない適切な評価を行うためには、賛否両方の意見を十分に把握する必要があると考えるからだ。毎度左右両方の主張を聞くと、自分と異なる意見や極論、感情論に頻繁に触れることになるのでストレスを感じる。一方で、「ケース・バイ・ケースで」「自分の頭で」何が正しいかを考える習慣につながる。実際、情報に触れる中で、自分の意見は結構ブレる。情報に触れないよりは良かったと思える。
で、右派の主張を理解したいとき、DHCテレビは重宝してきた。私の思うDHCテレビの長所は、次の2つだ。
1. 右派の主張をテレビ番組の品質(構成・テンポ等)でまとめてくれる。 娯楽として、肩肘張らずに動画を見ている中で、自分の知らない事実や右派の主張に効率よく出会うことができる。
2. 出演者のコメントについて、しがらみが少ない。これは、制作サイドの管理が強い地上波とは対照的だろう。DHCテレビの出演者は自由な分、偏りが大きく問題発言も多いように思えるが、「少なくともこの出演者にとっては、これが正しい主張なんだろう」という、ある種の信頼感があったように思う。もちろん、DHCテレビの出演者だって、視聴者層を気にして発言するだろうが、キャスティングの時点でほぼマッチングされているように思える。
今回の上念司の降板によって、私の中では2.に疑問符がついた。
そもそも上念司の降板について、ほとんど理由は明かされていないし、私も大して調べていないが、おおよそ次の2つが言及されているようだ。どちらにせよDHCテレビ大丈夫か、という感じだ。
一つ目が理由なら、今後、DHCテレビの出演者は百田尚樹と異なる意見を言えないということだろう。個人的には、百田尚樹の言論の質はかなり低いと感じている。そこに同調する出演者には価値を全く感じない。わざわざDHCテレビを見る必要はないだろう。虎ノ門ニュースの開始当時とは違い、ほとんどの出演者がyoutubeチャンネルを持っている時代なので、そちらを見た方が率直で質の高い情報に触れられるだろう。
二つ目の理由もまことしやかに主張されているが、感情論だ。そもそも、虎ノ門ニュースの出演者でトークのマナーが良い人間は少数派だと思う。マナーはもちろん問題だが、降板は釣り合っていない。共同出演者の組み合わせを変更する等、対処はいくらでも思いつくし、そうしなかった理由は公表されていない。結局、傍観者から見れば、大高未貴が「トランプの陰謀論に肯定的な主張をしようとしたところ」上念司が話を遮り否定した、という点が、トランプに肯定的な視聴者にとって面白くなかっただけだろうという印象が強い。DHCテレビは、好みレベルの話で因縁をつけてお行儀の悪い行動を取る視聴者群に迎合したんだろうか。だとしたら自殺者を出した某リアリティーショーよりもたちが悪いような。現時点で事実がどうかはよくわからないが、私の立場で抱いた印象はこの通りで、DHCテレビにはぜひ経緯を説明をしてほしいと思う。
既に書いた通り、出演者個人のyoutubeチャンネルも増えているし、動画制作の品質も上がっているので、DHCテレビの役割はこれから徐々に小さくなっていくんだろうと思う。DHC会長も(以前からとはいえ)差別発言するし、今回のことで番組の印象も悪いし、もう見ないだろうな。結局、自分みたいな視聴者層は最初からお呼びでなかったんだろうな。信者向け番組化がこれまで以上に加速するんでしょう。
#そう言えば、DHCテレビの左派版も欲しい。ぜひどこかの企業にやってほしい。サンデーモーニングの若年者向け・ネット版みたいな。現状そういう番組が見つからなくて、ちょっと不便を感じてる。