2014-09-04

アイスバケツチャレンジを批判する気分は圧倒的に正しい

最近流行りのアイスバケツチャレンジ、ネットじゃ批判する向きもあるようだが、まともに言語化できてないので訳しておく。


ちなみにALS患者による胸に刺さる批判もあったが、アイスバケツチャレンジを快く思わないALS患者がいることは理由にはならない。さすがにALS患者の総意が反アイスバケツチャレンジではないだろうから。どんな属性の人でもなにかに対して賛成も反対もするのだから。


アイスバケツチャレンジの批難されるべき点は3つある。

1つめは指名させること。

2つめは氷水をかぶらせること。

3つめは指名数を2名か3名としていること。


まず指名させることについて。なぜ指名されなければいけないのか。たいていの人は普段、寄付などしたくはないのだ。人が寄付するのは、代わりに身体や心の拠り所を与えられる場合か、多少は身銭を切ってもいいという程度に心を動かされた場合、がほとんどだ。普通の日本人は普段、寄付などしない。稼ぎの1%を定常的に寄付している日本人がどれだけいるだろうか。アイスバケツチャレンジで指名されることで寄付したいと心が動かされない人にとってアイスバケツチャレンジで指名されることは迷惑以外のなにものでもない。寄付という言葉を自分がどう認識しているか考えればすぐにわかるように、寄付とは強制されるものではないのだ。


氷水をかぶらせることについて。なぜ氷水をかぶらせるのか。理由は3つ。パフォーマンスになるから。寄付を拒否する罰として。寄付しない人間にも次を指名する正当性を与えるため。運動に好意的な人間以外にとっては身勝手極まりない理由だろう。まっとうな運動であれば、氷水は寄付してかつかぶりたい人がかぶる、というルールであるべきだ。


指名数を2、3名としていること。チェーンメールや不幸の手紙と同じ仕組みを採用してるわけだ。タチのいいもんじゃない。


ついでにSPA!の連載でひろゆきが例によって愚にもつかない疑問を呈していたので答えておく。

『んで、批判している人が誰の利益を守るために批判しているのかが、個人的には謎だったりします』

アイスバケツチャレンジに参加したくもないのに指名される人だ。指名されてなんの表明もせずルールに従ったものの寄付も氷水かぶりも指名もしたくなかった人はけっこういるはずだ。


というわけで、武井壮が神対応とかもてはやされてるが、せいぜいまあ、ぎりぎり褒めてもいい、という程度のものだろう。


指名された時のまっとうな対応は、指名してきた人に事情を説明して寄付も氷水かぶりも指名もしないこと。そうあるべきだ。

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