特に深い情熱はないけれど、何となく好きということで大学に入り6年建築の勉強をする。
この16年、建築を「好きになること」をがんばっていたのだと気がついた。
同級生は昔から止めろと言っても建築のことを考え、図面や模型をつくっていた。
僕はと言えば図面や模型をつくればそのうち好きになるんじゃないかとがんばっていたのだ。
なんということだ。
そしてそのことに今気がつくとは。
しかしなにか、肩の荷がおりたような気がする。
そうだ。
無理な高みを目指さなくてもいいんだ。
今できる範囲が、理想よりも低くとも楽しめる範囲でいいんだ。
楽しくなければ止めてもいいんだ。
これをあきらめというとそうかもしれないが、
新しいスタートと受け取ることができる気が、今ならする。
そう16年たった今なら。