2010-09-23

月姫遺言

欺瞞の瘡に 叢成す雲を射抜き 落とす月光

罪を畳めた 血の交う骸の 骨に刺さる

過ぐ世は 贖いの 底無し沼

嘖む 泥に塗れて 溺れる

月よ 総てを 見透す光で

此の胸を貫いて

離る記憶に 肱伸ばしても

歪な 輪廻に 呻吟う

流転の枷に 這いずる永き夜を 燻り猶予る

己が縛にて 流竄の因果を赦さないで

宿世に せめてもの 罪滅し

穢れた 此の身と共に 朽ちなん

月よ 総てを 見透す光で

此の胸を貫いて

離る記憶に 肱伸ばしても

歪な 輪廻に 呻吟う

月よ 総てを 見透す光で

此の胸を貫いて

離る記憶に 肱伸ばしても

私は 逃げられない

尽き得ぬ咎に 釁りの刃で

もう一度畢らせて

忘ることさえ 敵わぬ躰を

不尽の 業火で 逝かせて

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