アスペルガー症候群の知り合いがいた。
当時の私は彼女がアスペルガーだと言うことを知らず、私が何を言っても
「違うよ」
「そうじゃないよ」
と反論を繰り返し、自分が正しいと主張し、自分だけが面白いことを延々と話し続け、
「うんうん、それで?」
と私が必死に聞いていると、突然
「ふう」
とため息をついて話をやめてしまい、私は
「なにがしたいんだよ、もー」
と戸惑ってばかりだった。
そのうち、本当に話をするのに疲れてしまい、私は彼女との交流をやめてしまった。
アスペルガー症候群の人には、魅力がたくさんある。
それと同じくらい、困らされることもたくさんある。
最近、よく話をする小学生の男の子がアスペルガーで、当時の彼女そっくりの言動をする。
私は彼にたくさんの魅力があることを知っているし、彼が彼独自の世界を持っていて、それがとても素敵なことを知っている。
正直話していて疲れるときも、イライラするときもある。
イライラしてるときの方が多いかもしれない。
どうやったらアスペルガーの彼と楽しく話ができるのか、悩むことも多い。
でも、交流をやめてしまった彼女のことを思い出すと、
「もっと彼をわかりたい、もっと彼と話をしたい」
と思う。
完全に彼を理解することはできないと思う。
でも、彼が楽しそうに笑っていると、とても嬉しい。
彼女は今、どうしているだろうか。
彼のように、笑っているんだろうか。