2010-03-09

ttp://tameike.net/comments.htm#new20100309045713

米国債の話になると、急に冷静さを失う人って多いですよね。「日本は早く米国債を売れ」「中国はしたたかにやっている。それに比べて日本は何だ」「もっと戦略的に考えろ」。・・・・まあまあ、そこは落ち着いて、まずは元データに当たってみましょう。

ttp://www.ustreas.gov/tic/ 

○さて、上のデータを元に、こんなグラフを作ってみました。ちょっと見てくださいまし。

米国債の各国の保有高を棒グラフ(上)にしてみると、なるほど中国は多い(2009年末8,948億ドル)。でも、全体の量も増えているので、シェア的にはそれほどではありません。日本も7657億ドルと多いですが、ここ5年ほどはそれほど増減はありません。とにかく日中が突出していることが分かります。

○そこでシェアのみのグラフ(下)を作ってみると、中国は4分の1、日本が5分の1となります。このくらいなら、持ち過ぎて怖いというほどではないでしょう。ただし中国はこれ以上増えると、もう売れなくなりますね。逆に日本は、あと一息で全体の1割台に落とせます。

○しかし数年前を振り返ってみると、実は日本海外保有分の米国債の3分の1以上を保有していたんですね。2003~04年の円安介入の効果です。これはもう、売りたくても売れない。冷や汗ものですね。でも、当時はこの円安介入でデフレを脱出した。そして当時はテッパンの日米関係があったから、これが許された。

○ところがその後は、日本は着実に米国債シェアを減らしているのです。実は日本は、上手にリスク回避しているのではないでしょうか。なおかつ、「あいつは逃げた、けしからん」「不気味だ、怖い」的な非難も浴びてない。逆に中国ばかりが目立っている。

○さて、米国債戦略的に扱っているのは、中国日本の一体どちらでしょう。

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