そして可能ならば、すぐにでも逃げ出したかった。
何もかもから。たった2人で。
さもなければ最初からゲームオーバーだと思っていた。
「普通の女の子だったら良かったのに。」とまるで三文芝居の台詞をつぶやくのは諦めた。
だから普通に振る舞わなければ...。
明日なんて来なければ良いと心底思った。
それでも無情に時計は時を刻む。30分後にはまた請求が来るだろう。
”今”だけが”自由”だった。今もあの時からずっとそうさ。今まで気付いていなかっただけだろう。
素足を石油ストーブで暖めた彼女は、いろいろな事を語ってみせた。
あともう暫く。手をつないで、無言のままストーブで暖まった。
そして0時を過ぎると魔法が解けた。
それ以降、”永遠”なんて存在しないと思っている。されどその瞬間だけが、永遠に残るのだろう。
〜T/H