昔から、気を使うことだけはできた。
上手い話をすることなんてできないし、上手い返しもできない。
会話もゆっくりで、テキパキと要領良く話せない。
いきなり質問されると焦って、めちゃくちゃな会話になってしまう。
それでも、気を使うことだけはできた。
人の話をちゃんと聞いて、できるだけ丁寧に相槌を打った。
会話が途切れないように、適度に質問もしたりした。
話を聞いて欲しいと言われれば、何時間でも聞いて、相談されたことには、自分なりに真剣に対処した。
からかわれても、失敗を笑われても、ただただ、気を使っていた。
気付けば、私はみんなの中で おっとりした人 になっていた。
積極的に話すこともなく、怒ることもなく、いつも笑っている、
おっとりした人。
悩みも感じず、何を言われても気にせず、ただただ笑っていられる、
おっとりした人。
私の悩みは全て「冗談」となり、ろくに話も聞いて貰えず、
「おっとり」のイメージの中に消えっていった。
きつい冗談や、からかいが、
「おっとり」のイメージの中にどんどん投げ込まれた。
それでも気を使うことだけはできた。
いや、気を使うことしかできなかった。
私は、自分の気持ちを人に言うことすらできない、弱い人間だった。
ただ、みんなに頼られたい、みんなに嫌われたくない、それだけだった。
それが実現しているのに、
今日もなんだか寂しくなって、
一人で泣いて、
周りに言うこともなく、
こういう所に本音をぶつけて、
紛らわそうとするこの不安定さは、
何故なんだろうか。
大丈夫さ ネットの向こう側、特に増田の俺たちっていう、世界一頼ってはいけない味方がいるじゃないか!