2009-09-17

昔から、気を使うことだけはできた。

昔から、気を使うことだけはできた。

上手い話をすることなんてできないし、上手い返しもできない。

会話もゆっくりで、テキパキと要領良く話せない。

いきなり質問されると焦って、めちゃくちゃな会話になってしまう。

それでも、気を使うことだけはできた。

人の話をちゃんと聞いて、できるだけ丁寧に相槌を打った。

会話が途切れないように、適度に質問もしたりした。

話を聞いて欲しいと言われれば、何時間でも聞いて、相談されたことには、自分なりに真剣に対処した。

からかわれても、失敗を笑われても、ただただ、気を使っていた。

気付けば、私はみんなの中で おっとりした人 になっていた。

積極的に話すこともなく、怒ることもなく、いつも笑っている、

おっとりした人。

悩みも感じず、何を言われても気にせず、ただただ笑っていられる、

おっとりした人。

私の悩みは全て「冗談」となり、ろくに話も聞いて貰えず、

「おっとり」のイメージの中に消えっていった。

きつい冗談や、からかいが、

「おっとり」のイメージの中にどんどん投げ込まれた。

それでも気を使うことだけはできた。



いや、気を使うことしかできなかった。

私は、自分の気持ちを人に言うことすらできない、弱い人間だった。

ただ、みんなに頼られたい、みんなに嫌われたくない、それだけだった。

それが実現しているのに、

今日もなんだか寂しくなって、

一人で泣いて、

周りに言うこともなく、

こういう所に本音をぶつけて、

紛らわそうとするこの不安定さは、

何故なんだろうか。

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