伯父が、じきに
もう手遅れらしい、ガンが見つかって
本人は知らない、残り時間は半年
恥ずかしい話自分の中での伯父に関しての一番印象に残ってる記憶は「いとこの結婚式にいったときに伯父の車にビスケットを忘れた」なんだぜ?なんでこんなしょうもないことしか覚えてないの、俺
いや…少しは思い出せたかな。そのいとこの結婚式の前後に、父親と一緒に車に乗せて貰ってあちこち行った記憶が残ってる。もう今はないサボテン園とか…そうそう三人してコソコソ落ちてるウチワサボテンの実を持ち帰ったっけ。サボテンゼリーは美味しかった。海があって、お刺身食べたっけな。自分はつまが美味しいなんて言って沢山食べてたっけ。近くに海があって、滅多にかぐことのない香りがあって。つれてってもらったフリーマーケットは楽しかった。神社に連れて行って貰って、なんか窪みに焼き物だかの玉を入れるのに必死だったっけな
意外と残ってたのかも、思い出。顔も声も記憶にはないんだけどね
多分伯父とこれからも会うことなく、二度と会えなくなるんだろうな
自分にできることってないんだと思う