■ありがちな恋愛　

飲み会の席で、突然「俺はAちゃんと付き合うことになった」と知り合いの男がそう言った。

その時、僕は席の端っこでビールを飲んでいた。

Aちゃんと僕は8月初旬に初めてデートをし、告白し、そして寝た。

その後、連絡をしたら、

「実は気になる人がいる」ということを聞かされた。

また、「返事は待ってほしい」と。

そして最後に「あなたは素敵な人だから、もっと胸を張って生きて欲しい」とも言われた。

「じゃあ何であの日帰らなかったんだよ？」と言う言葉が出かかったものの、

ぐっと押さえて飲み込み、彼女の気持ちが整理されることを待った。

それからしばらくは電話で他愛ない会話をしつつ、返事を待った。

話の端々で結論を尋ねたが「ちゃんと会って話をしたい」と彼女は言う。

会う日まで決めたが、当日に体調が悪いとのことでキャンセルになった。

もともと「体調が悪いのでダメかもしれない」と言われていたのでそんなにショックはなかった。

また、すぐに電話が来て「今度会おうね」と言われ、僕はその言葉を信じていた。

そして、今日、飲み会の席で彼女と一緒になった。彼女が来ることは知らなかった。

「なんらかの返事が聞けるかも」と期待していたが、彼女は1時間ほど経ったあと、

「別件があるから」と言って帰った。

「また別の機会に話を聞くか。この場じゃ話難いだろうし」と思い、

気持ちを切り替え、周りの連中と話をしていた際に、

冒頭の会話になった。

どうやら8月の上旬から付き合い始めたらしい。

そこから先はあまり覚えていない。

ただひたすら吐き気がし、本当はすぐにでもその場を立ちたかったが、

席を立つことはできなかった。

「振られた」という事実よりも「何で今日までちゃんと説明してくれなかったんだろう？」

という「人として裏切られた」ということが何よりショックに感じた。

飲み会が終わり、さっさと僕が帰ろうとした時、

冒頭の男が「Aちゃんから色々聞いてるよ。また今度ちゃんと話そう」と話掛けられた。

「一体、何を話すというのだろう？」と思ったが、

僕は力の無い笑顔で「わかった」と答えつつ、家路についた。

そして、今、この日記を書いている。

これを書くまでは「何で自分だけこんな目に遭わなくちゃいけないんだろう？」

と思ってましたが、実際に書いてみると、ありがちな話ですね。これって。

Permalink | 記事への反応(6) | 02:17

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