2009-07-15

東京人の告白、「私はアメリカ人を恨んでいない」

一人の東京人としてアメリカ人を恨むかと言えば、私はその資格を有する人間であろう。しかし、私はアメリカ人を恨んではいないし、そうしたいとも思わない。

戦争が始まる直前、曽祖父は親族東京の各地に散らばせた。

神田上野新宿中野高円寺など

東京空襲されたあの日、本家爆弾が直撃しすり鉢になった。

防空壕に潜っても死んだものもあったと聞く。

100軒をゆうに越すほど所有していた長屋も焼け落ちた。

一族の家もほとんどが火災で焼け落ちた、現金ゴミになり、国債も紙切れに。

皇族を相手にするような生業をしていたので職業そのものがGHQに禁止され、守らなければ逮捕された。

いかがわしい商売ではなく現代では合法的にあるものだ。

混乱下、泥棒にあったことも1度や2度ではない。

本当に食べるのに苦労したらしい。

当時はなんの価値もなかった土地がいまではこんなになっているが、当時は本当にはした金で買えるものだったそうだ。

土地より建物の方が価値があったから建物を所有していたそうだ。

戦争は多くのものを失い、奪っていった。

ほとんど何も残らなかった。

だがそれは戦争だからだ。

戦争は多くの参加者にとって「得る喜び」というものは無い。

失うことへの悲しみが参加者を駆り立てる。

失ってしまったことへ対して恨んでも何もはじまらない。

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