友達に創価学会員の人がいた。
彼はとてもフェアで健康的な精神の持ち主で、背が高く頭がよかった。
やや素朴すぎるところはあったが。
家族全員が創価学会員なので彼が入らないわけにはいかないようだった。
彼が創価学会について語るときには、
「自分の生まれた村から逃げることはできないよ」
そういっているかのように見えた。
会合にいったこともあるが、意味不明なお経をみんなで読むことにどんな意味があるのか自分にはさっぱり理解できなかったので、やんわりと辞退した。
僕はその結婚式に行ったが、それが本当に彼の意思なのかよくわからなかった。
単に隠しているだけかもしれないが、愛し合っている人同士とは見えなかった。
村の掟に従って結婚した、のではないだろうか。
それ以来、10年以上連絡していない。
どうも21世紀とは思えない展開だが、古い方法でも幸福に暮らせている人はきっといる、と思いたい。