2009-04-04

スーパー新入社員

俺はスーパー新入社員だ。

4月1日入社式、今週はまだ2日間研修を受けただけだというのに、もはやこの会社のことを理解してしまった。

1を聞いて10を知る、自分のアビリティが恐ろしくなってしまうが、何しろスーパーなので仕方がない。

この会社の人事評価・教育システムは個人の能力を信頼していない。

組織力によって個人の能力平準化し、一般化することで最も購買層の多いであろう一般的マーケットアプローチするテクニックであろう。

であればこの会社においてスーパーな俺の能力を生かすためには、いかに周囲を活用するかにかかっていると言うことだ。

同僚は言うに及ばず、上司、他部署の人間を快く協力させるべく、まずは円滑な人間関係を作らなければならない。

手段としては宴会がもっとも有効だろう。正攻法が平均的な思考の人間には有効だ。決して会社に迎合するためではない。

スーパーな俺が店選びから料理の選択、席順から司会進行までを引き受けたいところだが、俺のための歓迎会では致し方ない。

ここは頭の回転は良いが従順適当に気が効かない所もあっていじってもらえるようなボケもかますかわいい新入社員に徹することにしよう。

急いては事を仕損じる、静かに深く潜り込んでから、すこしづつ主導権を確保するのだ。

そうだな、スーパーなこの俺が周辺を懐柔しつつ係長クラスまで5年、そのあと課長まで10年、部長まで15年、平取りまで20年、社長まで25年。

ふむ、この会社においてはトップクラス出世ではあるが、それなりに指導的な役割を果たしつつ、やりがいもあるではないか。

当然スーパーな俺が影で操るのだから、業績は良くて当たり前だ。

業績の良さを自分ひとりのものには出来ないが、そんなことは会社においては当たり前のことだ。

みんなを幸せにする、それがスーパー新入社員たる俺の役割なのだからな。

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