ある日,地面から芽が生えました.
この芽は真面目でまっすぐにしか伸びれません.
でも自分が伸びる向きは生まれつき知っていたので,
その方向に向かって長い年月をかけて伸びていきました.
ある時,この芽は伸びるのが辛くなってきました.
今まで通り,まっすぐ,まっすぐ伸びているのに,
倒れそうになるのです.何故でしょう・・・?
相変わらず伸び続けながらも考えていました.
そして,ついに気がつきました.
「自分が最初から斜めに生えていた」ということに.
しかし,もうここまで伸びて来てしまっては後の祭り.
方向転換はできません.まっすぐ伸びるしかないのです.
自分の重さを感じつつ,それでも少しずつ伸びていきました.
ところが,とうとうその重さに耐えられなくなり,
根元が曲がって倒れてしまいました.
とても疲れていたので,もう起き上がる気力がありません.
これからは地面に沿ってまっすぐ這っていくことにしました.
その地面が平らではなく,下に傾いていることも知らずに…