2009-01-15

レイプ被害の生存者を、今も生き抜いているというだけで尊敬するよ



彼女がいた。

自分から好きになってつきあい始めた。

「聞いたらぜったい(つきあうのが)イヤになるよ」という前置きから、話をちょっとずつ聞いた。

大学生の時にレイプ被害にあったという話だった。

そのときにつきあっていた彼氏と2人でいるところを襲われた。

輪姦された。

彼氏はその後、無事では発見されなかった。

1990年代東京都での出来事だ。

それを聞いたとき、どう受けとめていいか、なんて声をかければいいか分からなかった。

話の衝撃に僕自身も打ちのめされていた。

眠れなくなった。人を信じられなくなった。今まで信じていたものが絵空事に思えて、憧れていたものが、どうでもよくなった。

仕事も行く気はしなかった。いろんなことがほんと、どうでもよくなった。

社内恋愛だったので、彼女に心配かけてはいけないと思って出勤した。

しばらくして遅番の彼女が出勤してきた。笑顔で同僚に挨拶していた。

何日ものあいだほとんど眠れていないし、ろくに食事も摂れていないはずで、

どんな暗澹たる感情に襲われているかを思って、その顔を見た。

そこにあった笑顔には、ただもう尊敬するしかなかった。

強さ・集中力・それを支える根源的な生命力

どれも僕には無かった。

仕事をしていても、彼女の打ち明け話が頭をよぎる。とたんに仕事の手が止まる。

一度そちらに頭脳を持って行かれると、自力では帰って来られない。

調べたところによると、

フラッシュバックというのは、通常の心理では受け入れがたいほどのショックを受けたときに

なんとか受け入れて適応しようとする脳みその働きなんだそうだ。まぁ一説だろうけど。

フラッシュバックに襲われながら仕事をするのはかなり困難だ。

まして、理不尽な出来事によって、これまで築いてきたものを突如壊された経験を持つ者が

正確に迅速にコツコツと業務をこなしていくのは、意志の力によらなければ、いったい何を信じてのことだろう。

自分なら、なにもかも投げだしてしまったと思う。

もし彼女会社が別なら、勤務中に彼女の姿を見ることがなければ、あのつらい時期を乗りきる(やりすごす)ことは出来なかった。

彼女が受けた出来事に、僕も打ちのめされ

彼女自身によって、僕は支えられた。


その後、PTSDについて調べてみた。

レイプ被害のあと、命を絶ってしまう(事故も含めて)例もあるらしい。

それは、分かる気がする。

「生きていて良かった」が彼女の口癖だった。

その「生きている」ことが、どれだけ大変なことか。

その一端を知った僕としては、レイプ被害の生存者が

ただ生きていると。生き抜いているという、そのことだけでその人を尊敬する。



レイプを題材にしたエロ画像動画があるけど、ほんとにうんざりする。

死ねばいいのに」って思う。

レイプをして喜んだ奴らが、その犯した罪に苛まれながら人生を過ごさせるには、どうすればいいんだ?

レイプのどこが気持ちいいのか分からん」っていう奴を増やすには、どうすればいいんだ?

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん