2008-10-20

村正

552 名前:550[sage] 投稿日:2008/10/14(火) 15:00:53 ID:LImVJlD10

生と死の狭間に己を笑い恍惚として自ら忘るる

されば夜明けの嘆きを鐘に神曲の幕よいざ上がれ

奇跡を行う聖人衆生を救い神を呪って嘔吐する

黄金の兜の覇王は万里を征し愛馬と共に川底へ沈む

湖の美姫は国を捨て愛を選び糞尿に溺れて刑死する

孤赤児は蚯蚓の血を母の乳とし三夜して腹より腐る

生命よこの賛歌を聞け笑い疲れた怨嗟を重ねて

生命よこの祈りを聞け怒りおののく喜びを枕に

百年の生は炎と剣の連環が幾重にも飾り立てよう

七日の生は闇と静寂に守られ無垢に光り輝くだろう

獣よ踊れ野を馳せよ唄い騒いで猛り駆けめぐれ

いまや如何なる鎖も檻も汝の前には朽ちた土塊

生と死の選択を己に課す命題として自ら問う

されば嘲笑の歓喜する渦に喜劇の幕よいざ上がれ

嵐の夜に吼え立てる犬は愚かな盗賊と果敢に戦う

温かい巣で親鳥を待つ雛は蛇の腹を寝床に安らぐ

漏れ日の下で生まれた獅子は幾千の鹿を飽食し

せせらぎを聞く蛙の卵は子供が拾って踏みつぶす

生の意味を信じる者よ道化の真摯な詭弁を聞け

死の恐怖に震える者よ悪魔仮面は黒塗りの鏡

生命に問いを向けるなら道化悪魔は匙を持ち

生命を信じ耽溺するなら道化悪魔は冠を脱ぐ

獣よ踊れ野を馳せよ唄い騒いで猛り駆けめぐれ

いまや如何なる鎖も檻も汝の前には朽ちた土塊

姫は唄い、諸人を祝い、

そして地獄へ蹴り落した。

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