2008-10-19

一人の女性が忘れられない

別に恋愛関係にあったわけでもないが、月に一度くらいのペースで飲んで騒いでた。4つくらい年上だったっけ。向こうはどうか知らない。が、こっちはずっと惚れ込んでた。一度だけセックスしそうな状況になったことがある。やればよかったが、どっちも酔っ払っていてそういう気分にはならず、というか僕が一線を引いてそういうことをしなかった。

彼女性格というのがすごくて、直言型というか、自分で「テロリスト」認定してたくらい過激な部分があった。聞いた話では、同僚の女の子に腹を立てて頭からソースぶっかけたとか、この手の武勇伝には事欠かないらしい。言ってることは間違ってないんだが、この性格。だから仕事も落ち着かなかった。

そういう女の人と僕となんで気が合ったのか、なんで一緒に飲むようになったのか、話をすれば長くなりそうなそうでもなさそうな、理由があるようでもあり、またたいした理由もないような。

そんなこんなである時、例によって彼女は僕を攻撃し始めた。ま、直言だな。あんたのここが悪い、なんでいっつもそう威張るのだ、その自信はどっから来る、先のこともちょっとは考えなさい云々。

僕はその一々全部をすでに知っていた。でも自分ではどうにもならなかった。だから、分かった分かったでいなそうとすると(僕もまだ若かったなあ)、なんも分かってない!と切り返される。自分が本当に好きな女の人に言われるだけ、つらかった。面倒くさくなって、それきり会わなくなった。5年くらい顔も見てない。

それ以来、恋愛感情みたいなものはなんか封印してしまっている。封印といってもいいけど、諦めたといったほうがいいかもしれない。そうだな。諦めたんだな。一応、人並みに女好きポーズはとるし、実際セックスは好きだけど、でも、諦めてしまった。諦めてみると面白いもので、女性を遠いところから俯瞰しているような感じがして、かえって理解しやすかったり。そうすると案外と女性のほうが警戒心を解いてくれて、面白い話がたくさん出来る。かといって、そんな女の人たちが恋愛対象になるかというと、まずならない。向こうもこっちをそういうふうには見ない。いい体してるなあとか、男だからそれは思うけど。

変なもんで、あの彼女の顔を見なくなって久しいのに、まだ自分の中にいるんだな。そして自分を監視し、叱ってる。彼女の年齢にこっちがなったから、彼女の気持ちもなんとなく分かる。さすがにもう結婚して子供もいるんじゃないかと想像はする。でも、たまに猛烈に会いたくなる時がある。そういう時、布団に閉じこもるしかない情けない自分がいる。

そうして布団の中で彼女名前を呼んでみる。なんて自分は情けないんだろ。情けなさ過ぎて涙も出ないが、男はみんなこんなものかもしれないなと頭の片隅ではそう思う。そういう部分がない男って、つまらないじゃないか、と。男そのものが結局つまらない存在なのかもしれないがね。

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