今年になって変わってきたことがある。
恋愛運だ。
今まで恋愛とはほど遠い生活を送ってきたのだが、今年に入ってから、にわに様子が変わった。
まず告白された。いや告白されたというのが正しいのかどうか分からないが、とにかく付き合って欲しいと言われた。
二十余年生きていたが、まさか自分にそんなことを言ってくれる女性が出てくるとは・・・。
嬉しいよりも、驚きのほうが大きかった。
あと数人の女性から、積極的に食事などに誘われることが度々ある。
いわゆるデートだが、女性側から誘われたことなど今までは皆無だったのに、今年に入ったから突然増えた。
いわゆる「モテ期」といわれるものなのだろうか。
実は今日も一人に誘われた。
しかし諸手を挙げて喜べない。今の状態に自分自身はものすごく懐疑的だ。
何かがおかしい。
自覚するような自身の変化は無い。
だからその全ての事象に対して逃げ腰になってしまう。
結果、それらの女性に対しては恋愛感情が生まれない。そしてなにもないまま現在に至る。
わがままだ。贅沢だ。と言われてしまえてば、確かにそうなのかもしれないが、
(自分自身も、そんな状態の男が目の前にいたらそう思うはず)
生まれて初めて受ける他人からの一方的な恋愛感情に、自分自身かなり戸惑っているのだと思う。
自分はどれだけ今まで、一方的な恋愛感情を他人にぶつけてきたのだろう。
その人が、今の自分と同じような戸惑いを感じていたのか、と思うと申し訳なくて死にたくなる。
そんな風に、今まで自分がしてきた恋愛体験に対して後悔が生まれるようにもなった。
結局恋愛なんて、どちらか一方の恋愛感情の押し付け合いなんだ。
一方的な恋愛感情を受け、そして「付き合って」いくんだろう。それが普通なことなんだと思う。
しかしそれって、よくよく考えたらスゴイことだ。他人を受け入れるってスゴイ。
多分僕にはその度量がない。
故に、向けられた恋愛感情に対して妥協点を見つけらない。
きっとそんな、自分本位の恋愛しか、僕は今後もできないのだな、と感じる。
そう思うようになってしまった瞬間、自分の恋愛から興味がなくなってしまった。
きっと今の「モテ期」も、そんな風に無駄にしてしまうのだろう。いや無駄という考え方自体、意味が無いのかもしれない。
そんなことを考えた、独身男の独白。