2008-05-22

トレードオフの問題ではないのだ

トレードオフ概念日本に無いのか

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080520/157860/?P=1

「99.5%までテストをした残り0.5%」の品質を上げることと、そこで問題が発生した場合のコストとのトレードオフということだとするなら、この筆者に同意する。

しかし、今回の三菱東京UFJ銀行セブン銀行トラブルは、「99.5%までテストをした残り0.5%」では全く無い。

今回の問題の原因は、他行との相互運用メッセージの内容が正しくなかったというもので、これは「数え上げることが出来るメッセージが全て正しいかどうかを確認する」というテストであり、三菱東京UFJ・相互運用先・顧客全てに損害を与えるケースなのだから、100%の網羅率でテストして当たり前である。

しかも、今回のケースは、めったに起こらないレアケースで発せられるメッセージではなく、ありがちなケースの場合おメッセージだった。初日にのべ20,000件のエラーが発生したことがその証左である。

このメッセージの妥当性を検証していないということは、品質保証ポリシーとして他行との相互運用を正しく行えることという目標が掲げられていなかったということであり、それはすなわち、今後も類似の問題が発生する可能性はゼロではないことを示している。

重ねて言う。今回のケースは、99.5%の残り0.5%に分類されるものではなく、99.5%の、それもプライオリティの高い方に分類される問題だったのだ。

また今回のケースは、機能テストに分類されるものであり、移行前のセブン銀行とのI/Fも変わってないようなので、リグレッションテストでもある。

機能テスト・リグレッションテストが100%OKになってはじめて、残りのレアケースに関するトレードオフの話をしようじゃないか。

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