「神世界」グループの霊感商法事件で、神奈川県警の吉田澄雄警視(51)の知人の杉本明枝社長(44)が経営するヒーリングサロンが売り上げを上納する際、吉田警視自らが銀行振り込みで上納していたことが24日、県警の調べで分かった。
サロンは、売り上げの7割をグループ内の上部組織で東京都稲城市に本社がある有限会社に上納。吉田警視は平成17年ごろからサロンの会計を手伝うようになり、自ら銀行に赴いて、この有限会社の銀行口座に上納金を振り込む役目を担っていたという。
また、吉田警視が杉本社長の運転手役だったことも判明。県警は、吉田警視がサロン運営に深く関与していたとみて調べている。
調べでは、吉田警視がサロンの開業資金として杉本社長に1000万円を提供したとされ、吉田警視は「月々返済を受けている」と県警の任意聴取に供述。一方、杉本社長は23日の会見で「吉田警視名義で700万円借り、既に返済した」と資金提供を否定したが、会計の手伝いの謝礼で「月に数万円から十数万円支払った」と金銭のやりとりは認めた。
吉田警視と杉本社長の言い分が食い違っており、県警は吉田警視から詳しく事情を聴く。
また杉本社長は会見で、吉田警視以外に神奈川県警の警察官3人がサロンに出入りしていたことを認め、さらに別の警察官が吉田警視の紹介で10月ごろ「懲戒免職になりそうだ」と相談に訪れたことも明らかにした。