今朝、君のにおいがした。思わず振り返って君の顔を捜した。記憶の中でいくらか薄らいできたその顔を捜して、ないことに安心してため息をついた。
離れてからもうずいぶん経つのに、時々思い出す。きっかけはいつも突然で、そのたびに戸惑う。鮮やかな記憶がまだ残っていたことに驚く。
それもいつか消えていくのだろう。そうたぶんそれほど遠くないうちに。この匂いのように空気にまぎれて、幻のように。
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