2008年1月8日発売号のSPA!で新作特別編の『孤独のグルメ』が掲載されています。
食事の事で何故か何処かちょっと歯車がかみ合わず、なんとなくスッキリしない。
その中で描写されるゴローちゃんの食事に対する真摯な言動がどこか面白い。
コミックスで読んていた『孤独のグルメ』に対する印象はそんなものでした。
今回掲載のお話も、食事に対するコメントは以前と同じく味わい深い独特のセンスがにじみ出ていると思います。
今回の舞台も「なんでこの場所を選んだのだ?」など考えると飽きない。
でも、なにかいままでのお話とちがう。
歯車のかみ合わなさが足りない。そう感じたのは私だけでしょうか。
たぶん、ゴローちゃんが自分で食事を選んでいないからなんですよね。
『腹が減った、食事をしよう!』という所から始まるゴローちゃんの能動的な行動が裏切られていない。
コミックスでは豚をかぶらせたり、注文が聴こえなかったり、来月からだったり……。
この歯車のズレから面白さが起きてくると思ってます。
今回って、環境に制限がついてしまい、ゴローちゃんがメニュー選定をしていないんですよね。
そのせいで、歯車のズレが読んでいるこちらで増幅されてこない。
選んでいないから、読んでいても「まぁ、しょーがないよね」って感じで通り過ぎてしまう。
ボクが『孤独のグルメ』で感じている面白さは、食事の選択に、積極的に失敗しつづけるゴローちゃんの姿だったのだなぁ、と思い至りました。