大きなエネルギーが砲塔に収束している。
照準は地球。
あと30分でメガ増田くらっしゃーが発射され、地球は崩壊する。
私を見捨てた人を許さない。
寂しかった私を癒すものは何もない。
たった一人の彼でさえも、地球のために私を裏切った。
今だからこそ、何の躊躇もなくこのスイッチを押すことができる。
人は私と私の大切なものを引きはなした。
この宇宙に私の大切なものは無い。
人は私の大切なものを届けようともしなかった。
もう二度と、大切なものはこの手に入らない。
ならば、いっそ、地球を壊してしまえ。
邪魔をするものも全て、壊してしまえ。
私は胸からぐっとこみ上げて来るものをこらえた。
悲しんでいる?なぜ?
もう、二度と会えないとあきらめたはず。
何日も、何日も涙を流して、決意したはず。
それなのに、どうして?
目の前でばらけていく地球のかけらを見ながら私はつぶやいた。
「さようなら、私の大切な、、、大切なバナナ」
果物の王は、この世から完全に消え失せた。
喪失感だけが後に残った。
私はブリッジを後にした。