安上がりな手段として適当に18禁の小説を買って帰ってきたのです。文庫本です。
(1時間後)
使い終わったのです。ああ、非常に実用的な小説でした。値段以上のすばらしいものでした。実用的なだけではなくて心も温かくなるような。
これはこの作家の遺作なのだそうです。この本を書き上げてからすぐに、若くして病気でこの世を去ってしまったのだそうです。
なんだかとてもとても申し訳ない気持ちになりました。さっきまで盛り上がっていた自分に恥じいりました。気分はお葬式です。自分が遊園地で楽しく過ごしていたその時間に、疎遠になっていた知人が死んでいたのを知らされたような。そんな気持ちです。なんだろう、ヒトとしてごめんなさい。実用的に使ってしまってごめんなさい。生きていてごめんなさい。
中学生の頃春画を集めた文庫本がなぜか我が家の本棚にあって、実用的に使いました。 18禁の本は実用書なんで、実用的に使うのが供養。