僕の頭の中で音楽が鳴っている。
街に出たらどこに行っても音楽が溢れている。
だけど、僕の頭の中のこの音楽は、僕の頭の中でしか聞こえない。
誰にも聞かせられない、誰にも伝えられない、不可知な音楽。
どのジャンルにもカテゴライズされない僕だけの音楽。
僕はこれを何とか人に伝えようと、六年前から打ち込みをするようになった。
作った音楽をベルギーのテクノレーベルに送ると、
こっちに遊びに来ないかと誘われた。でも、僕は断ってしまった。
既存の音楽の再構築はできても、僕の頭の中の音楽は、未だに再現できない。
僕の頭の中の音楽は、楽器では奏でられないのかもしれない。
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