2007-09-17

あらゆる業界を内部から改善する事は難しい

まず、改善を訴える人間の価値を無効化する。

「彼はそんな事を言うほど良い仕事はしていない」。

「そんな事を言える立場・地位にはない」。

それを言う資格、権利をいうものをここぞと捏造し、続いて彼がそれに「そぐわない」人間であるための物語が作り上げられる。

そして現代生きている人の大概は自己モニター能力が発達しているから、周囲によって定義されたその空気に強く反発する事が難しい。(実際に、「明らかに良い仕事」をしてたり、「高い業界的地位」にある人は収入も高く、失うものも大きいため、自分のいる業界に不満を感じても口には出さない。)

もう一つは、「これは特例だから」と言う方法。

「我々のいる世界(業界)は、《良くも悪くも特殊な》ものだから、「それ」が在る事は仕方がない」という。

改善すべき」ように見えるその部分こそが、我々、君や僕を生かしめているのだ、と諭す。

そして、特殊である、という事は、特殊なルール、特殊な理論存在する、と、世間のモラル常識から「それ」を切り離す。

そして、「所詮は世の中は…」「所詮人というのは…」と大上段に構えた言葉を交えつつ、彼の言うことを「過ぎた理想論」と位置づけ、汚れた現実の尊さを説く。

幼稚で不毛な言葉の繰り返しで消耗させられた「彼」への説得は、あとは酒と涙と音楽でどうとでもなる。

そして、今日も全国至る所で不祥事が繰り返される。

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